ビザンチン将軍問題

①悪意ある参加者による不正・改ざん:誰でも参加できるネットワークには、悪意ある参加者が存在するリスクが考えられます。意図的に不正な取引を発行したり、取引結果を自分の都合がよいように改ざんする可能性があります

②情報伝達の遅延による不整合:具体的には、実施された取引の伝達が遅れて、別の人が二重に処理することで、二重支払いなどの不整合な状態が発生する場合があります。

③ネットワークを自律的に維持・運営するための推進力:誰でも参加できるということは、裏を返せば、責任ある管理者が不在ということなので、システム品質(耐障害性・可用性)を維持しつつ運営していくための強力な推進力が働かないことでもあります。

特に1番目の問題は、ビザンチン将軍問題として、昔からP2Pなどの分散型ネットワークでシステムを構築する際のさけられない問題とされてきました。ビットコインでは前述した方法(ブロックチェーン、PoW、電子署名、報酬によるインセンティブ)により、この問題について実用的な解を示したというわけです。

ビザンチン将軍問題とは、古代東ローマ帝国をたとえとしたシステム上の問題です。具体的には、相互に通信しあう何らかのオブジェクト群において、通信および個々のオブジェクトが、故障または故意によって偽の情報を伝達する可能性がある場合に、全体として正しい合意を形成できるかどうかを問う問題です。

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